2003/08/26
2.より効果的なサプリメント利用法(2)
〜カルシウムのお話〜
骨のカルシウムは溶けだす?!
カルシウムは骨をつくりそれを維持するほか、心筋機能や筋収縮の調節や神経の伝達、精神の安定化などさまざまな働きがあるミネラルです。また、カルシウムは摂取が不足したり吸収が損なわれるとまず血液中のカルシウム濃度が低くなって体に障害が現れ、さらに不足状態が続くとカルシウムの不足を補うために骨の中のカルシウムが溶けだし、今度は血中のカルシウム濃度が高くなり過ぎて障害が出るという矛盾した性質を持っています。
手遅れになると大変な事に・・・
砂糖の多い菓子や清涼飲料水、インスタント・ラーメンを多く摂取したり、動物性脂肪をとり過ぎたり野菜が少なかったり、さらに歳をとることによってもカルシウムは消耗します。
カルシウムが不足するとまずイライラしたり、血圧低下、めまい、不整脈や手足がつったりしびれるなどの症状が現れますが、体が発するこうしたサインに気づかずにさらにカルシウムの摂取不足が続くと、腰痛、頭痛などの他大きな社会問題となっている骨粗鬆症(こつそしょうしょう)の症状が出てきます。骨粗鬆症の予防が声高に叫ばれていますが、体が発しているカルシウム不足の警告サインを見逃してしまい、骨折するほどまでにその症状が進んでしまってから、いざ治療しようとしてもほとんど手の施しようがありません。
カルシウムは小魚や乳製品、大豆やダイコンの葉、干しひじきなどに多く含まれています。しかし、天然の食品に含まれるカルシウム(他のミネラルも同じ)は元素として存在しているため吸収されにくいという性質があります。
そのためカルシウムとアミノ酸を結合させて(キレーション)吸収効率を高めたサプリメントが注目されてきました。
カルシウム摂取はマルチビタミンの形で
また、カルシウム以外にも骨の健康に重要な役割を担っているミネラルやビタミンは数多く存在しており、アメリカの研究によるとカルシウムのサプリメントだけを投与した場合とカルシウムに6種類のミネラルと12種類のビタミンのサプリメントを投与した場合では、総合的にビタミン、ミネラルを投与した方がカルシウム単独の場合より2〜3倍も骨密度の増加が大きかったという報告もあります。
これは骨密度に対するカルシウムのサプリメントの効果がマルチ・ビタミン、マルチ・ミネラルのサプリメントと併用することで著しく向上する可能性を示唆しているものといえますが、骨密度に限ることなくカルシウムの不足、いわゆるカルシウム欠乏症を解消するためにも、カルシウムのサプリメントを他のマルチ・ビタミンやマルチ・ミネラルのサプリメントを継続的にとり続けることが大切であることを示しています。
(おわり)
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