2003/03/18
2.ここがおかしいインフルエンザ予防接種 (2)
〜ワクチンをめぐって〜
ワクチン接種軽視か?
近年、インフルエンザに対処する臨床医学は、迅速診断方法の確立、抗インフルエンザ薬の登場などめざましい進歩がある。
こんなことも、ワクチンに対して不勉強になる由縁なのか。
高齢社会を迎えたわが国では、特に高齢者に対するインフルエンザ感染が多大な被害をもたらしていることから、インフルエンザワクチンによる予防対策の実施については、さらなる医学的考慮、啓発をするべきではないだろうか。
予防接種を受けて、インフルエンザに対する抵抗力が付くまでに2週間程度かかり、その効果が十分に持続する期間は約5か月とある。
より効果的に有効性を高めるためには、毎年インフルエンザが流行する前の12月中旬までに接種を受けておくことが必要である。
にもかかわらず、予防接種実施期間が平成14年11月1日から平成15年2月28日とある。予防医学的にはおかしい。
この点について、地区医師会に尋ねてみた。担当者は、まったくこの実施期間についてはおかしいと、電話口で笑った。
笑い事ではないのではと聞くと、2月になって、インフルエンザが流行すると、受けたいという人がいるので、そうしたのでしょうという。
苦笑ですむのか、医学がそこにあるのか。
専門家はこう述べる
ワクチン接種について、専門家はこう記述している。
「接種時期については、インフルエンザの流行は、毎年12月下旬から1月初旬にかけておこる。ワクチン接種から抗体上昇までに約1か月要する。このことを考えると、10月中旬から遅くとも12月中旬までに接種が望ましい。
また接種回数は、成人・高齢者(とくに連続接種者)においては、1回(0.5ml)接種でも有意な抗体上昇が認められており、1回接種でも効果があると考えられる。
しかし感染歴の少ない幼小児では、2回接種が望ましいと考えられる」
とあり、抗原性の不一致の場合、その流行株に対しての感染機会および抗体価の低い幼小児では、少しの抗原性の不一致が、感染を引き起こす可能性があり、予防接種の低下を引き起こすという。
公的な対策として実施する以上、もっと医学的な解説を実施していく必要があるといえる。
接種に対して、アレルギーのチェックなどはかなりしているが、もっとも重要な基本的な医学を、提示することだ。
※現行ワクチンの有効性は、ワクチン株と流行株が一致した場合、健康成人では発病防止効果は70〜80%といわれている。小児では低年齢になるとワクチン効果は低下し、2〜6歳の幼児では50%といわれている。
※2002-03年のワクチン株。A型(HINI)株(Aソ連型)、A型(A香港型株)、B型(山東株)
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